「遙かいま」オフィシャルロングインタビュー公開。

―9か月ぶりとなるセカンドアルバムが完成しました。まずは、メンバーそれぞれがどんな手応えを感じているのか教えてください。

野元喬文(以下、野元):一曲一曲キャラクターの強い曲が詰まっていて、おもちゃ箱みたいなアルバムになったと思います。いろんな人に関わってもらって、いろんなアレンジやミックスになっているので、ごちゃ混ぜではあるけど、でもまとまりもあるというか。

田中慧(以下、田中):今までの自分らの色を出せた曲ももちろんあるんですけど、新しい挑戦をした曲も多くて。プロデュースをしていただいた曲もそうだし、“はっぴいめりいくりすます – at the haruyoshi/Take 5”は福岡にある自分たちのプライベートスタジオで一発録りしたものをそのまま入れてたり。だから、雰囲気はバラバラと言えばバラバラな気もするんですけど、バラエティに富んだアルバムになったと思います。

―前回のインタビューの最後に、荒谷くんが「プライベートスタジオを作りたい」と言ってたけど、本当に完成したんですね。

斉藤雄哉(以下、斉藤):今年の一月にできて、まだ設備は発展途上ですけど、スタジオの存在はすごくデカくて。制作はそこでがっつりやったし、インディーズの頃みたいに僕が楽器を録ったりもして、新しい挑戦がありつつ、昔からの良さも取り入れられたなって。

荒谷翔太(以下、荒谷):“愛し私”と“恋文”にはNABOWAの(山本)啓さんがヴァイオリンのプロデュースみたいな立ち位置で入ってくれたり、本当にいろんな人とできたんですけど、自分たちのスタジオを作って、ちゃんと地に足をつけた上で、外にも広がっていけたのかなと思います。

―2021年に入ってからは、1月に“ごきげんよう さようなら”、3月に“浪漫”が先行で配信されました。どちらももともとは高校生のときに作った曲で、それをリアレンジしたそうですが、特に“浪漫”は初めて日本語で作った曲だそうですね。この曲をこのタイミングで発表したのは何か理由がありますか?

荒谷:今回は「外向きに広げる」というテーマが、チームとしても、僕らとしてもあったんですけど、でもそれだけになっちゃうと違う気がして、さっき言った「地に足をつける」ためにも、僕たちのスタートを大事にするという意味で、“浪漫”がアルバムに入ってたらまとまりがあるかなって。

―個人的に、yonawoの魅力の中で「ロマンティックであること」はとても大きいと思っているので、初めての日本語の曲が“浪漫”というタイトルだったのはそれを象徴してるなと思ったんですけど、荒谷くんとしても「浪漫」は大事にしていることだと言えますか?

荒谷:この曲を作ったときの記憶はもうあんまりなくて……「浪漫」って何だろう?

野元:ジャケットを書くときに「乾いたフルーツ」みたいな話したよね?

荒谷:そうだ。ドライフルーツとかじゃなくて、瑞々しいんだけど、でも外見は時を重ねた感じ、乾いてる感じっていうのが、僕なりの「浪漫」、みたいなことを言った気がする。

―「相反するものが共存している」というのは常にyonawoの歌詞のモチーフになっていますよね。そういうすぐには理解できない、未知のものを追い求めることに「浪漫」を感じる、ということでしょうか?

荒谷:のもっちゃんとは「ゼロを追い求める」っていう話もして、それがすごいしっくり来て。つかみどころのないものを表現として求めるというか。

野元:知ってしまったら「浪漫」じゃなくなる。「知りたい」っていう欲、願望、その状態が「浪漫」っていうか。

荒谷:その知りたい対象が「ゼロ」。

野元:そうそう、「イチ」になる前の状態。「イチ」になった瞬間に「こんなもんか」って、「浪漫」じゃなくなっちゃう気がするんですよね。


―「今回はいろんな人に関わってもらった」という話がありましたが、5月に冨田恵一(冨田ラボ)さんプロデュースの“哀してる”、7月に亀田誠治さんプロデュースの“闇燦々”が先行配信されています。プロデューサーの起用に至った経緯を教えてください。

荒谷:ファーストは僕たちの純度100%みたいな作品だったので、次は違うことに挑戦したいと思っていた中で、チームから「プロデューサーとやるのはどうかな?」という提案をいただいて、「好きな人がいれば挙げてほしい」と言われたので、それで名前を挙げさせてもらったのが冨田さんと亀田さんで。


―もともと部屋で4人で遊びながら曲を作ってたり、そういう中から生まれる良さがこれまでのyonawoの音楽にとって重要だったと思うんです。だからこそ、その延長でプライベートスタジオも作ったんだと思うし。なので、「プロデューサーとやるのはどうかな?」と言われて、きっといろいろ思うところはあったと思うんですけど、実際どうでしたか?

荒谷:結構話し合いましたね。どうなるかわからない不安もあったし、確実に勉強になるだろうとも思ったし、自分の中にはどっちもあったんですけど、みんなで話し合った結果、挑戦してみようってなって。

斉藤:僕は最初めっちゃ嫌だったんですけど、こういうことができる機会もなかなかないじゃないですか? 自分たちだけで完結させることは、言ったらいつでもできる。でも、挑戦ができるのは今しかないかなって。あとは単純に、違う人が関わった自分たちを見てみたいと思ったのもあって、それが一番大きかったかもしれない。


―「J-POPと向き合ってみる」みたいな感覚もあったのでしょうか?

荒谷:“哀してる”に関しては、自分の中のポップな面、大衆的な部分にフォーカスして書こうっていうのが最初の動機としてありました。それを考えたときに、自分の中のポップな面とか大衆的な部分は歌謡曲とかだから、そういう曲を自分なりにyonawoの曲にしたらどうなるかなって、前向きな感じで制作して、自分でも納得できるものができたなって。


―慧くんはプロデューサーと制作することであり、ポップな表現を目指すことについてはどう考えましたか?

田中:自分も最初は不安だったんですけど、冨田さんと亀田さんはずっと好きな人だったので、そのお二方なら胸を借りてみても面白いというか、「一回会ってみたい」とかそういうのもあったし(笑)。ポップなものに関しては、もともと自分が思ってる荒ちゃんの印象、声とかメロディーからそれを感じていたので、こうなるのは自然なことというか。


―うん、別に方向転換をしたわけじゃなくて、もともと持ってるポップな部分や大衆性をブーストした感じですよね。同じ質問、野元くんはどうですか?

野元:最初のデモが返ってくるまでは不安の方が大きかったです。アレンジの不安もあるし、自分の技術が追いつくのかっていう不安もあったし、荒ちゃんのデモの段階で2曲ともすごく気に入ってたので、プロデューサーが入ってホントにいい方向に持って行けるのかは正直不安でした。でも、結果的にすごくいいものになったと思います。


―“哀してる”のプロデュースを冨田さんに依頼したのはどんな理由だったのでしょうか?

斉藤:ハナレグミと一緒にやってる“眠りの森”とか、キリンジとか、椎名林檎の“青春の瞬き”とかを聴いて、メロに寄ったアレンジがすごいなって。“哀してる”はもともとメロが強かったから、冨田節のコードワークが合うんじゃないかと思って……結果とんでもないことになってて、譜面を見てびっくりしました(笑)。


―「歌謡曲」というキーワードも上がってましたが、もともとどんなイメージで作ったんですか?

荒谷:中島みゆきさんの“化粧”がめっちゃ好きで、ああいう歌謡曲の感じというか、歌い上げる感じが自分でもできないかなと思って、先に詞を書いて、アカペラで歌って、それにコードをつけて行きました。初めての作り方だったので、それも挑戦でしたね。


―yonawoの曲としては珍しく「ABサビ」がはっきりした構成になっていますよね。

荒谷:最初はいつも通りというか、自分の好きなように作っただけなんですけど、今回冨田さんに手掛けてもらって、ABサビへの落とし込み方もめっちゃ勉強させてもらいました。デモだと〈壊れそうな声で歌うあんたに〉の部分が一回だけだったのを、〈愛してる〉の符割りを変えることによって繰り返すっていう提案をいただいて、確かにその方がパンチが出るなって。あとは、ベースラインもめっちゃ冨田さん節やったよね。

田中:冨田さんから送られてきたデモが5弦ベースで、でも自分は5弦を弾くのに慣れてなかったから、何とか4弦で、いつもの感じで持っていくにはどうしたらいいかを考えて、少しずつ構築していきました。

斉藤:冨田さんが送ってくれた最初のデモを聴いて、「エレキ入れたかったら入れていいよ」と言われたんですけど、もう入る隙間ねえなと思って(笑)、結局アコギしか入れてなくて。今までもエレキが入ってない曲はあったけど、それはもともとアコギがメインの曲で、今回みたいな曲でアコギしか入ってないのはあんまりなかったですね。

野元:いつもは「こういう曲なんだ」と思って練習するけど、今回はまだどういう曲なのか掴めないまま練習を始めたので、最初は不安だったんですけど、徐々に曲の良さをジワジワ感じるようになって、「いい曲だなあ」って、胸が熱くなったというか。


―感じ方が変わるタイミングってあったんですか?

野元:コロナ禍で、つらいニュースとかが流れる中、「でも頑張らなきゃ」みたいな時期だったんですよね。複雑な世の中で、みんな疲れてて、休んでもいいのに、それでも頑張って生きなきゃいけない。そういう現実と曲が自分の中で重なって……いい曲だなって。


―“哀してる”に対して荒谷くんは「生きることを宣べる、私の祈りです」というコメントをしていますが、世の中に対するリアクションとしてこの曲を書いたわけですか?

荒谷:このときは詞を書く上でそこにしかフォーカスできなかったというか、それこそのもっちゃんの言う「不安」だったり、僕たちの置かれた状況だったりが反映されていると思うので、それがバンドメンバーにも響いたのは嬉しく思います。

―“闇燦々”のプロデュースを亀田さんに依頼したのはどんな理由だったのでしょうか?

荒谷:“哀してる”と“闇燦々”はどっちもシングル用に書いたんですけど、“哀してる”はしっとりしてるので、もう一曲はノリがいい、グル―ヴィーなやつがいいなっていうのが自分の中にあって、マイケル・ジャクソンの“Rock With You”をリファレンスに作って……まあ、これもいい意味でも悪い意味でも、失敗したというか(笑)。


―リファレンスとは違うものになったっていうことね(笑)。

荒谷:はい、自分のオリジナルなものになって、やっぱりこういう曲はリズム隊が肝になるから、ベーシストでもある亀田さんとなら素敵なものが作れるかなって。“哀してる”は弾き語りのデモだったんですけど、“闇燦々”は自分のイメージでドラムを入れつつ、ベースはあえて何も打ち込まずに送ったんです。それを亀田さんがブラッシュアップしてくれて、尺も聴きやすい長さを提案してくれました。


―やっぱりベースラインはこの曲の肝で、そこは亀田さんのアイデアが大きいと。

田中:どんなのが来るかドキドキワクワクだったんですけど、返ってきたのを聴いたら、ベースで和音を鳴らす感じとか、亀田さん過ぎてにやけちゃったというか(笑)。もともと送ってくれたのはもっと音がゴリゴリで、亀田さんのジャズベースだと思うんですけど、自分はいつもプレベなので、ソリッドなニュアンスを取り入れつつ、プレベで音作りをして。フレーズもサウンドも、こういうオラオラした感じは初めてだし、それを自分のものにしていく過程はすごく楽しかったです。この曲は全体的なイメージで言うとChicもリファンレンスになっていて、その感じも新鮮でした。

野元:亀田さんの意見はすごく的確というか、最初のドラムフレーズはもともと裏から入ってたんですけど、「表から入った方がいい」って指摘してくれて、アレンジを考え直したらすごくよくなって。全体を見て正確に意見を言ってくれるからすごくやりやすいし、あとすごく丁寧というか、レコーディング前から何度もリハに来てくれて、状態を確認しながらだったので、余裕のある曲作りができました。

斉藤:普段は自分のプレイに対して何か言われることってないけど、初めて「ここをこうしたらもっとよくなる」って言ってもらえて、そういうのは楽しかったです。

野元:すごくフランクだしね。

斉藤:「ここはこうしたいです」って言ったら、「じゃあ、ここは残して、こっちをこうしよう」みたいに、ちゃんとディスカッションできるのが楽しかったです。サビのコードとかも、自分は弦を6本押さえなくちゃいけないと勝手に思ってたけど、「ここは高いところを鳴らした方がいいから、3本だけ押さえよう」とか、そういうのも勉強になりました。


―押し付けるのではなく、ちゃんとバンドに寄り添ったプロデュースはさすがですね。そして、最初に話したように先行で配信された曲以外もかなりバラエティに富んでいるので、それぞれのチャレンジや手応えについても話せればと思います。

田中:“恋文”はリズムが特殊というか、ずっとシンコペーションで、最初聴いたときは「マジか、ずっとこれで行くんや」ってびっくりしました。それをなるべく生かしつつ、他の部分は抜いたり、いろいろ考えましたね。あと“sofu”はすごく気に入ってて、今までやってきた感じをさらに洗練させたというか。雄哉の部屋に集まって曲を作ってたときを経て、これができたっていうのは……時は進んでるんだなって(笑)。


―変拍子を含め、遊び心が感じられる曲ですよね。

田中:クラリネットも入っていて、どこか寂しい、懐かしい、そんな感じの音色もいいし、語り部的な歌詞もいいし、すごく気に入ってます。

斉藤:“The Buzz Cafe”はノリで作った感じというか、スタジオでコードを弾いて、荒ちゃんがメロを乗っけて、そこからセッションみたいな感じで、「なんかできたね」って、ホントそんな感じ(笑)。haruyoshiでほとんど録っちゃって、ドラムは電子ドラムでオケ聴きながら入れて……気づいたら出来上がってた。

野元:“The Buzz Cafe”はフランス語が入ってるのがお気に入りポイントです。

斉藤:最初ビョークのインタビューをぶち込んでたんですけど、アウトって言われて(笑)。で、友達の彼女がフランス人で、その子に来てもらって。


―ちなみに、何を話してるの?

野元:コーヒーの作り方を淡々と説明してるだけです(笑)。

斉藤:あと“ごきげんよう さようなら”の最後のギターソロは荒ちゃんと2人で弾いてるんですけど、スタジオにアンプを並べて、2人でファズをかけまくって、あれも遊びみたいな感じだし、“beautiful Day to Die”の最後のノイズもすごく気に入ってて……ああいうことをしていきたいというか(笑)。


―「ああいうこと」というのは?

斉藤:きれいな構成で、音を抜いたのもすごい好きだから、そっちもやりたいけど、その真逆というか、ノイジーな、サイケっぽいのもたまにちょっと見せれたら楽しいなって。

田中:雄哉の真骨頂はそっちだと俺は思ってるんだけどね。

斉藤:それずっと言ってるんですよ(笑)。俺基本的にはクリーンなギターの方が好きで、ノイズは気まぐれでやってるだけなのに、慧は「雄哉はそっちだ」って。


―確かに、どっちの良さも持ってるよね。

斉藤:どっちも極めたいとは思います。今回のレコーディングは前半後半に分かれてて、シングルで出てない曲は後半のタームで録ったんですけど、ギターはharuyoshiに一人で籠って作った部分も多くて。レコーディングスタジオだと焦っちゃうというか、エンジニアもいるから、「もう一回」って言いにくかったりするけど、haruyoshiだと自分で好きなだけ録り直せるから、満足いくまでやり直せました。ファーストはその場の空気を大事にしたけど、今回は真逆で、そこは満足してます。

野元:僕はレコーディング前半から後半にかけて音とプレイがよくなったと思います。テックの人に入ってもらって、めちゃめちゃやりやすくなったんですよ。フレーズは難しいのが多いので、前半はめっちゃ苦戦したんですけど、後半は楽しくやれて、“sofu”は1テイク目が使われてたり。あの曲は実はオケを聴いてなくて、クリックだけを聴いて録ったんです。打ち込みのデモの状態がすごくよくて、生でやる意味を考えて……。

斉藤:音色は生がいいけど、リズムはスクウェアに行きたくて、オケがあると邪魔やったんやろ?

野元:そうそう。なので、フレーズを完全に頭に叩き込んで。何度か挑戦したんですけど、結局1テイク目が一番よかったんです。


―歌詞やタイトルについても聞きたいのですが、今回は多くの曲で「あなたと私」というモチーフが出てきますよね。“ごきげんよう さようなら”、“愛し私”、“恋文”、最後の“美しい人”もそうだし。

荒谷:“美しい人”は対話形式にしようっていう最初のテーマがあって書き始めたんです。“木綿のハンカチーフ”を聴いて、この形式で詞を書くの素敵だなと思って、自分なりに挑戦してみました。結果的に、単純な「あなたと私」から始まったようで、最後にそれが溶け合うみたいな構成にできて、すごく満足してます。


―最後に出てくる〈あなたは私なんでしょ?〉というフレーズが印象的ですよね。“ごきげんよう さようなら”に対しては「私という存在が大きなひとつの孤独として繋がっている」というコメントもあって、やはり最初に話した「相反するものが共存している」という感覚は今回の作品にも通底しているなと。

荒谷:どの曲を書くときもそれが軸にあり続けるだろうなっていうのは感じていて、その確認じゃないですけど、『遥かいま』というタイトルも、遥か遠くのものと、今の自分に一番密着しているものが重なっているというか。それによって僕の表現し
たいもの、最初に話した「ゼロ」というものを、また違う形で表現できたかなって。


―ファーストだと「宇宙」や「星」がモチーフとしてよく出てきていて、それも「外側に広がっているものでもあるし、自分の内側にあるものかもしれない」という話をしてくれたと思うんですけど、同じことを「あなたと私」で表現することによって、より普遍的なポップスに近づいた印象を受けたんですよね。

荒谷:それこそ“美しい人”とかは、自分の好きな名曲をリファレンスにして、恋人同士の対話というフォーマットを使うことで、自分の表現をポップなものに、大衆の心に触れるものにできたのかなと思います。「あなたと私」というと、一般的には恋人とか、友人とか、家族だったりするけど、もっと深いところというか、一般的な関係性をもう一段階飛び越えたところでの表現を大事にしていて、今回はそれをいい塩梅でできたかなって。


―『遙かいま』というタイトルからして、時間や距離を超えた「つながり」を描いたアルバムのようにも感じます。そこには寂しさと温かさが混在していて、そこに「浪漫」を感じるし、そこに物事の本質があるようにも思うし。

荒谷:「ただ忘れていたことを思い出す」くらいの作業でもあるし、それを思い出すことが個人的な到達点でもあるというか。死があって、そこに向かう道のりの中で、そういうものを思い出したり、また忘れたりすることが、「生きている」っていう体験なのかなって。


―アートワークとタイトルや歌詞の内容はどうリンクしているのでしょうか?

野元:写真家のKanade Hamamotoさんとのコラボというか、セレクトしてもらった写真を基にしてコラージュしたものなんです。今回のアルバムはいろんな人に関わってもらったので、混ざり合う感じを表現したかったのと、あとは前のアルバムから繋がりつつ、「瞬間の瞬き」みたいなものを刻めたらと思って、前回のキャラクターというか、モニュメントを置くことで、「時を閉じ込める」とか、「輝きを閉じ込める」みたいなジャケットになったかなって。


―外側へと開かれつつ、yonawoらしい遊び心や哲学もしっかり閉じ込められた、素晴らしいアルバムだと思います。作品を作り終えて、今後の展望をどのように考えていますか?

荒谷:“哀してる”みたいな曲を作ったことで、今度はまた違った自分を表現してみたい、まだ出会ったことのない自分によりフォーカスしてみたいと思いました。同じことを繰り返すのは得意じゃないから、ちゃんと狙いつつ、でも行き当たりばったりというか……矛盾した言い方ですけど、目的のある行き当たりばったり、みたいな(笑)。また相反した言い方になってますけど、でもそういうあり方でいたいなって。

斉藤:まだまだやりたいこといっぱいあるもんね。

 

文:金子厚武